活動レポート
vol.26【SHIPにじいろキャビン】同じ空間にいられる、安心できる場所
(取材者 大学2年生 20歳)
SHIPにじいろキャビン セクシュアルマイノリティのフリースペース
今回は横浜駅の近くにあるSHIPにじいろキャビンを取材させていただきました!
この施設は住宅街の中にあり、LGBTQなどセクシュアルマイノリティに理解のある方なら誰でも利用できます。申し込み不要で出入りも自由です。
参加費 1回300円、高校生以下無料
開館日 水・金・土16:00~20:00、日14:00~18:00
SHIPにじいろキャビン
SHIPにじいろキャビンは、本を読んだり、話ができるフリースペースです!
セクシュアルマイノリティに関する書籍やコミュニティ情報が多数そろえてあります。「同じ空間にいられる、安心できる場所」を目指しており、周囲の目を気にせず気軽に理解者同士で話ができる場所となっています。会話のペースや内容も全て利用者に任されいます。
また、個別に相談ができる電話相談も毎週木曜日の夜に行われています。
交流会・交流スペース
この施設以外にも、多くの場所で交流会や交流スペースが開かれています。
かながわ県民センターではセクシュアリティや年齢別に複数の交流会が開催されており、同じ仲間同士で話をすることができます。横浜市の事業として、あざみ野や戸塚で交流会があり神奈川県の事業として藤沢・厚木・小田原でも交流スペースを毎月1回実施しています。また、Zoomなどのオンライン上での講演会もあります。
イベント案内はこちら▶http://ship-web.com/event/
その他に、臨床心理士による対面の個別相談もあります。この相談においては、マイノリティの当事者だけでなく、その家族や支援者も対象となっています。マイノリティの方が安心して生活するためには、家族や友人といった身近な人間による理解が不可欠です。特に子供と親の間では性に対する認識に隔たりがあることが多い傾向があります。自身がマイノリティでなくても、マイノリティの方との向き合い方において悩みがあったり、より多くのことを調べたいという時には、こうしたイベントに一度足を運んでみましょう!
これらのイベントいは事前の予約が必要な場合もありますので、詳しくはWEBサイトを確認してみてください!
相談サイトはこちら▶http://ship-web.com/counselling/
施設に求められていること
セクシュアルマイノリティの方には、周囲から距離を置かれて居場所がなくなるかもしれないという不安から悩みを打ち明けにくいという問題があります。そのため、同じような悩みを抱える仲間を見つけることができず、「自分だけがマイノリティだ」と考え、孤独感を感じてしまいます。そのため、そうした孤独感を取り除くことが必要です。
また、早い内に信頼できる相談者を見つけることも重要です。
今回の取材で分かったことは性的指向をなんとなく自覚し、それが明確になっていくのが12歳から16歳頃までの間であり、身体の性別の違和感については、そうした期間が9歳から16歳頃までの間であることが分かりました。この期間は思春期と重なることが多く、自分だけでそうした悩みを抱えていると精神的にきつい状態になりやすいです。
さらに、違和感を明確に自覚するためには自分自身がそれを判断するための情報が必要であり、交流会や交流スペースを通じて同じように悩む仲間を見つけたり、情報を得ることで「性の違和感を抱えたり、自身がセクシュアルマイノリティでることは誰にでも起こりうるものであり、おかしいことではない」と気づかせ、セクシュアルマイノリティの方を安心させることが施設に求められています。
また、この施設の代表である星野さんは「セクシュアリティも自己表現の1つでしかなく、自己表現はそれぞれあっていい。どのようなマイノリティであっても誰もが自分らしく過ごせる居場所でるべきだ」と述べています。
ジェンダー意識による決めつけにも警鐘を鳴らしています。飛行機内でのアナウンス変更などジェンダー意識を取り除くための企業の取り組みを紹介したうえで、必要以上の男女分けや女らしさ・男らしさの決めつけや思い込みがなく、誰もがその人らしく生きられる社会を目指す必要性を訴えました。
今回の取材で感じたこと
セクシュアルマイノリティの方にとって重要なことは、相談できる環境を整備するだけでなく、それを周知させることだと感じました。星野さんも「若い人の相談がまだ少ない」と述べており、青少年に向けたより幅広い広報が必要だと実感しました。「相談できる場所」と聞くと少しハードルが高く感じるかもしれませんが、落ち着いた環境なのでとても相談しやすい雰囲気でした!