活動レポート

Vol.35【イソカツ】あたたかく居心地の良い場所

記者:のぞみ(高校3年生)

私は今回、磯子区青少年の地域活動拠点「イソカツ」へ取材をさせていただきました。

訪れたのは2025年8月2日、とても暑い真夏の日でした。JR磯子駅から大手のカフェチェーン店や磯子区役所を通り過ぎること徒歩5分。イソカツは、スーパーマーケットやドラックストアなどを兼ね備えた便利なビルの一角に位置しており、生活の中で立ち寄りやすい環境にあったため、「ここなら放課後休日にぜひ利用したい」と思いました。

私がもし、この近くに住んでいたなら学校帰りにイソカツに立ち寄って、勉強の合間にはスーパーマーケットでお菓子やおにぎりを購入して気軽に自習をしにくるだろうなと想像しました。

中に入ってみると…

外観はカラフルな装飾が施されておりとてもかわいらしかったです。入口のガラス扉越しに中の様子が見えてアットホームな明るい雰囲気が感じられました。初めてイソカツを訪れる人でも安心して足を踏み入れられそうなオープンな空気感がありました。

中に入ってみると、小上がりスペースはもちろんのこと、仲よく会話できる二人用のテーブルや集中して作業できる仕切り付きの自習スペース、さらには卓球台もあります。

ここでは「勉強する」だけでなく「遊ぶ」「話す」「つながる」といった多様な時間を過ごすことができ、また定期的なイベントも開催されています。(ものづくり、ボードゲームカフェなど)

私はこのことから「誰でも心地よく過ごせる場所」であると感じました。また、大きな窓と広々とした空間がとても開放的であったため、長時間いても息苦しさを感じませんでした。イソカツにはマンガや複数のトレーニング用品も置かれていました。私はこれらが地域の人々の寄付によって成り立っていると知り、地域と拠点との温かく強いつながりを実感しました。

利用者(高校生)へインタビュー

今回、私がインタビューさせていただいたのは、私と同じ高校3年生のAさんです。

イソカツを利用するようになったきっかけを尋ねると「イソカツすぐ近くの図書館の職員さんからの紹介で、図書館より運営時間が長く、より多くの自習時間を確保できるから」と話してくれました。さらに図書館とは違ってここでは自習しながら飲食可能であったことも魅力であったそうです。学校帰りに軽食を取りながら集中できるこの場所は学生にとって非常にありがたい存在です。

初のイベント参加

「主に勉強をする目的で来ていますが、スタッフの方と話をしていたときにものづくりのイベントがあることを教えてもらい、最近初めて参加してみました」と話してくれました。

「声をかけてもらったことで興味がわき実際にやってみると、とても楽しかったです」

信頼しているスタッフさんと一緒で普段からいる空間だったので安心して参加することができたのだと思いました。ものづくりの一例として作品も見せてくれました!

スタッフさんが作った試作品をよりかわいらしくなるように魚のシールを貼ったそうで、すごく素敵に仕上がっていました。自分のアイディアを出して、それをちゃんと認めてもらえる関係性はすごくいいなと感じました。

イソカツ美術展

イソカツの大きな特徴の一つに、年に一度開催される美術展があります。これは、カナカツ(金沢区 青少年の地域活動拠点)でも行っているユニークな取り組みで、不登校や居場所のない子、誰でも自分を表現できる場所をつくろうと始まったこの美術展です。

ジオラマ作品、イラスト(本格的な油彩、アクリル画もあります)などジャンルを問わず、作品を出展することが可能だそうです。実際に、1月に行われた第7回イソカツ美術展では5日間で、122点の作品が集まり、来場者数は237名に達したそうです。その規模の大きさに、私自身も驚きました。誰もが作品を通して自分を表現できるというのはとても素晴らしく、温かさを感じるイベントだと強く印象に残りました。

またイソカツでは、中高生も拠点の運営に参加しています。

美術展だけではなく地域清掃や子育て広場のボランティアなど、地域とつながる様々な活動を行っています。広場でのものづくりイベントや美術館での取り組み、他の団体と一緒に行うイベントなどを、企画するところから、準備や当日の運営まで自分たちで考えて実行することを大切にしています。

例えば、磯子まつり・いそごこどもまつりでは、スーパーボールや水ヨーヨー、金魚すくいなど、子どもたちを対象とした縁日を出店します。そこに中高生がボランティアとして参加することで社会参画の機会が提供されていることを知りました。

スタッフの想い

最後に施設スタッフの方が語ってくださった言葉がとても印象的でした。「イソカツが、学校・家庭以外の居場所の選択肢の一つになれたら嬉しい。そして美術展などを通して一人ひとりが活躍できるような場所を提供したり、地域と関りをもつきっかけになってほしい。」私はこの言葉を聞いてイソカツや単なる学習スペースではなく、人と人をつなぐ温かなコミュニティの拠点であることを実感しました。

最後に…

今回の取材を通して、イソカツは本当にあたたかく居心地の良い場所であると実感しました。このような施設が増えればさらに新しいつながりができ、地域社会がもっと活発になるのかなと思いました。

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